To be or Not to be?
(マンドラゴラさらなる番外編、捏造ジーン生き残りルートエンド後)
『よっ!おっかえり〜』
今日部屋に帰ると、ジーンが待ち構えていた。
「ジーン!触るな!抱きつくな!一体何をしに来たんだ!」
『あ〜最近寒くねえ?ここんとこ良い陽気だったのに急に寒くなってるし〜』
「だからどうした」
『こういう時は温泉行きたくなんねえ?露天風呂で雪見酒なんてのもオツかもよ?』
「一人で行け」
『うっわ〜冷たいお言葉、そ〜だよな〜やっぱオレとよりお姫様と行きたいよな〜・・・・・入り口で“ゆっくり楽しんできてくださいね”って言っといて“実は脱衣所だけ男女別の中は混浴”って露天風呂でしっぽり・・とかさ〜』
「・・・・・何が言いたいんだ」
わざわざお天気の世間話に来るような奴ではない、何を企んでいる?
『別に〜男だったらこういうの良いと思うだろ?って話』
「・・・・・・そりゃ、まあ」
僕だって男だ。
『(ニヤリ)ってことだ、お姫さんよ』
「えっ!」
ジーンの視線の先には姫の姿・・・マズイ話を聞かれた・・と思ったのに姫はにこにこ笑っていて、恥ずかしがるどころか「旅行なんて楽しみ」と言っている・・・・
「ジ〜ン、貴様姫に何かしたのか・・・」
『べっつに〜ここに連れて来ただけで何もしていないぜ、お姫さんには』
「本当か?」
『怖っえ〜、本当だって、・・・お前のポケットを見てみな』
あわててポケットを探ると、身に覚えの無い物が入っていた・・・これはマンドラゴラ!異性を好きに操れるマジックアイテム・・・そうか、さっきジーンが抱きついてきたのはこれを僕に持たせるためか。
『誕生日おめでとさん、ってことでプレゼント・・あとこっちは温泉の宿泊券(ペア)、んじゃ楽しんできてね〜』
「あ、ありが・・」
思わず受け取り、礼を言いかけて気付く、僕が帰ってくるまで姫はジーンと二人きりでこの部屋にいて、ジーンがマンドラゴラを持っていたことになる。
「ジーン、まさか姫に変なことは・・・」
『え〜〜オレを疑うの?ヒトサマへのプレゼントをつまみ食いするような奴だって思ってんの?・・まあ、オレはこれで帰るから、本人に聞いてみれば“お姫さんのカ・ラ・ダに” じゃあな』
ジーンが用意したこのあからさまな“据え膳”を食うべきか食わざるべきか、それが問題だ。
仕込み
(リオウ視点だと“トラブル メーカー”と同じにしかならないので、書き足してみました)
「う〜ん、リオウの誕生日祝い、何も用意できていない、どうすれば・・・」
『こんっにちは〜お姫さん、今日リオウの誕生日だよな』
「あらジーンこんにちは、・・・そうなの、でも何も用意出来なくて・・」
『あ〜最近忙しかったんだって?リオウが心配していたぜ、“過労で倒れたりしないか”ってな、まあ、オレとしてはコレが無駄にならなくてラッキーかな?』
そう言って示された封筒、中身は“二人分の温泉旅行”のチケット。
「ジーンこれは?」
『二人で温泉にでも行ってきなよ、お姫さんが旅行に付き合ってくれるならあいつも喜ぶぜ』
「それだけで本当に喜んでくれるかしら・・・何もプレゼント用意していないのに・・・嫌われたら・・・」
『まさか! あいつにとって“半径1キロ以内に弟が居ない”なんて最っ高〜のプレゼントだぜ?』
「? カインとリオウはそんなに仲が悪かったかしら?」
『マジで言ってるよ、この人・・・あのね、リオウはあんたの弟の品位の先生=外ヅラの良さはリオウの弟子なの』
「? 仲が良いと思っていたけど・・・」
『ハア〜、リオウも小舅には苦労するな〜 まあ、オレからのプレゼントも兼ねて一緒に旅行に行ってやってくれ』
「それじゃ、お言葉に甘えます」
『おしっ!じゃ準備して、リオウのトコに行こうぜ』